奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
図書館でたまたま見つけて借りた「奇跡のリンゴ」
以前から話しは知っていましたし、軽い気持ちで読んだのですが、
いやはや、これがまた面白い!!
一気に最後まで読み切ってしまいました(^^;)
人間一つの事にここまで注力して「狂の境地」にまで達すると見えて
くるものがあるということですかね〜
りんごという果物に全てを懸け、「カマドケシ」と呼ばれ蔑まれた
男の貴重な記録という趣ですが、ルポライター石川さんの上手な
文体も手伝って、最高の読み物となっております。
ただ、この本を読んで分かったのは、私は絶対に木村さんと同じ
ような事を実現できないということ。
私には奇跡のリンゴを生み出すことは100%不可能です。
それは自分がりんご農家でないという事はもちろん、自然や農業の
知識が無いということ、そもそもソレに情熱を傾けられない事など、
理由は色々考えられますが、一番「オレ無理」と思わせてくれたのが
家族に多大な迷惑をかけた事
でして、木村さんの嫁さんもお子さんも、義理の父親もよく我慢して
耐えていたようですが、私は自分の事よりも家族の方を重く見るので、
あれだけ家族をないがしろにする事は無理です。
絶対自分に出来ない事なので、逆にリアリティが無く、小説の内容の
ように感じられたから面白かったのですが、これで木村さんの側に
感情移入して読み進めたら、ものすごく不快な気分になっていたこと
でしょうね(^^;)
この話は木村さんが成功したからこそ、これだけ賞賛と美談になりえて
おりますが、奇跡のリンゴを生み出す事ができず、あのまま首をつって
死んでいたら、そもそも本にはなっていないし、地方版新聞記事の
片隅に死亡広告が出て終わりでしたでしょうね…
世の中きっと、そういう夢破れて消えていった人たちの方が圧倒的に
多いという事を考えながら読んでしまったせいか、ついついこれは
特殊でラッキーなケースだと思う自分がいたのは確かです。
また、りんごの木を愛し、「エゴ」を発揮し、それを貫き通しつつ、
家族や周りの方々の理解を得て、さらに運を味方につけた木村さん
だからこそ、成功したのだという捉え方もできますが、私には木村
さんほど「待つ」事もできないし「狂う」事もできません…
無い物ねだり的な感覚なので、逆に私はすごい興味深く読めたのかも
しれないですね(^^;)
批判しているわけではなく、単純に読み物として最高の本だという
のは確かなので評価は★★★★★なのですが、どうしても家族をあれ
だけ苦しめた姿には共感が出来ないことを差し引くと、内心は
★★★☆☆くらいとなります(+_+)
不可能を可能に転じさせるには全てを投げうち、全精力を長期間
傾けなければならないのですね・・・
たかがリンゴ、されどリンゴ
木村さんまではこだわれませんが、自分の仕事をもっと深掘りして
いく事も必要だな〜と思わさせられました(>_<)


